(株)茶の市
産学連携マッチングコーディネート事業
        藤沢市「産学連携共同開発支援事業補助金」を活用


「お茶を食べてみませんか」―。茶葉の卸売りや小売事業を展開する茶の市は、04年から茶葉を原料にしたジェラートの販売を進めている。

 ペットボトルや缶に入った緑茶飲料の国内市場規模は現在、約4500億円。市場は拡大し続けており、大手飲料メーカーも相次いで新製品を投入している。

 一方、急須に入れて飲む旧来の茶葉市場は約3200億円。差は徐々に広がっている。「廃業に追い込まれる茶葉専門の小売店も増えている」と、白井康徳社長は打ち明ける。
 危機感を持った白井社長は「何とか茶葉の消費量を増やしたい」と、ジェラートの開発に着手した。抹茶が原料のアイスクリームはすでに市場に出回っている。差別化するため、煎茶(せんちゃ)を使ったジェラートの開発に狙いを定めた。

 抹茶は、わらや黒い布をかぶせて直射日光が当たらないようにして育てた茶から作る。茶の甘み成分のもとで、直射日光に弱いテアニンの量を減らさないようにするためだ。そのため抹茶は甘みがある。一方で、日光を当てながら育てた茶から作るのが煎茶。渋みが強いのが特徴だ。

 この煎茶を使ったジェラートが「
湘南ジェラート 大人の緑茶」だ。抹茶のジェラートも横に並べて販売しているが、「大人の緑茶」の方が売れ行きが良いという。さらに黒豆やローズヒップ、紅茶などを使ったジェラートなど商品の種類を増やした。「美容と健康に良いジェラートの販売を進めたい」と白井社長は話す。

 開発に当たっては、
日本大学生物資源科学部の鳥居恭好講師の研究室の学生をモニター役にするなどの協力を得た。鳥居講師との交流は、藤沢市産業振興財団の産学連携マッチングコーディネート事業がきっかけだ。

 食の安全への関心が高まっており、食品にどんな成分がどれだけ入っているのかを気にする消費者が増えている。そこで茶の市では鳥居講師にジェラートの成分分析を依頼している。さらに
藤沢市から、産学連携共同開発支援事業補助金として100万円の交付を受けた

 「今後はジェラートの味を、よりきめ細かくしたい」と白井社長は意気込む。夏は甘さを抑えたさっぱり味のジェラートを販売し、冬は甘さを強めにしたものを売りたいという。同社の挑戦は今後も続く。


平成18年6月9日 日刊工業新聞 【中小政策・経営】欄より

 ▽社長=白井康徳氏▽従業員=22人▽資本金=1000万円▽所在地=神奈川県藤沢市、0466・43・8811